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一話「誰でも良くない」 窓から日が指す。 朝が来た。 また、今日が来たみたい。 ボクはベッドから降りて、一階に行く。 洗面所に行くと、母が歯を磨いていた。 姉は、顔を洗っていた。 いつも通りの朝だった。 髪型を確認するために、鏡を見ると、姉がこっちを見ていた。 タオルで、顔を拭いてから口を開く。 「ぼうっとしてないで、おはようぐらい言いなさいよ」 「全く、もう少し優しく言えないの?」 母親が姉の頭を軽く叩く。 姉は、少し怒りっぽい。 でも、とてもしっかりしていて、自慢できる姉。 「ほら、顔洗うんでしょ?」 「あ、うん……」 ボクは蛇口を捻り、顔を洗う 水が冷たい。 ぼうっとしていた頭が一気にはっきりする。 リビングへ行き、朝食を食べる。別に、特別美味しいわけでは無いけれど、心が暖まる。 「ご飯食べる時間無いじゃん!! だから、起こしてって言ったのに!!」 姉は、いつの間にか制服を着て、学校へ行ってしまった。 学校……。 時計を見ると、出席確認まで20分……。 ボクも時間が無い。 「実、こんな時間までいて大丈夫なの?」 急かすような母の声。 急いで準備をする。
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