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ルーク
【雪と墨】

怠慢?武士道?吸血鬼と生真面目?騎士道?少女が贈る学園バトルラブ(笑)コメディ(爆)+シリアス(真剣)なハチャメチャストーリー(汗)

※内容は真面目に学園バトル+シリアスです。あ、ラブとコメディは口直し…うん、きっと口直し程度です。失礼しました。

11/4^07:17[編集]
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ルーク

翌日、日が高くなる前に学園を訪ね、中等部の職員室に顔を出していた。
「あー、春日野先生はまだ今日は来てないよ。何か用事?」
「いえ、大した用では無いので出直します。態々ありがとうございました。失礼します」
どうやら担任の春日野先生はいらっしゃらないらしい。
事情を話して託すのが筋なのだろうが、今回においてはそんな事は出来ない。何より気が触れてると思われるのは避けたい。
そんなことを考えながら、中等部と高等部を繋ぐ渡り廊下に差し掛かったところで、俺は失敗を犯した。
「げっ」
先日の槍少女が向こうから歩いてきていたのだ。
そのまま知らぬふりをして行けばよかったものを、声を出してしまった為に気づかれてしまった。
「あなたは…」
ああ、最悪だ。
いや、こちらの用事を済ますという点においては寧ろ好都合なのだが、向こうは明らかに敵意を剥き出しにしている。
落ち着け、まだ慌てるような時間じゃない。
「あー、っと、これ」
ポケットから件の財布を取り出した直後、少女が突進してきた。
「うおおっ!?」
咄嗟の事だったので満足な回避行動が取れず、尻餅をついてしまう。
追撃を危惧し、即座に体制を立て直す。
しかし、少女は二撃目を放つ様には見えない。
「な、なんだってんだ…?」
最早疑念しか湧かないが、とにかく様子を見ることにする。
「返してください」
少しして、少女はそれだけ言った。
目つきは正に鷹。目線は俺が掴んでいる少女の財布。
「…返すのはいいが、質問に答えてくれないか?」
疑問だらけの俺は少しでも解決しようとそう言った直後、問答無用と言わんばかりに二度目の突進を仕掛けてきた。




7/29^10:03[編集]
ルーク

三人で談笑しながらの食事は久々で、各々の気が少し舞い上がっていたように思う。楽しいとはっきり言える。
こんな時、二人はおっかないが、家族というものはやはり大切だと実感する。
あの槍少女という気がかりもあるが、春菜もあれ以上は言及する気がないのか、それとも風花の手前、中々切り出せないのか、終始触れることはなかった。
そんなことを夕食後の自室にてぼんやり考えていた。
何気無く槍少女の落し物に目を向ける。
「やっぱ、届けてやるべきだよな」
この街では身分証が無いと行動する上で非常に不便なのだ。
俺も一度家に学生証を忘れ、それに気づいたのが買い出し中のレジ真ん前。
身分証が無いと買い物すら満足に出来ないのだ。その時の俺は泣く泣く商品を元の場所に戻し、帰宅した。
勿論、春菜にはスライディング土下座をした。
鮮やかにキメすぎて引かれたのは気のせいではなかったと思う。
ともかく、関わりたくない相手ではあるが、このまま見て見ぬフリをするのはどうかと思う。
「明日の朝に中等部を訪ねてみるか」
夏休みの朝から学園に行くのは気が進まないが、家にいても仕方ないだろう。
「そうと決まれば早く寝るか」
明日は早い。睡眠不足は辛いだけなので、俺は早々にベッドに潜った。


6/18^10:57[編集]
ルーク

かくかくしかじかマーボーカレー。
「なるほど、そんなことが…」
そう呟いて、考えるように黙り込んでしまった。
おい、愛しの妹よ。兄への労いの一言とかは無いのか。泣くぞ。
そんな懇願が届いたのか、春菜は少し慌てたように顔を上げた。
「兄様、あまり露骨な視線を向けないでください。よくわからない罪悪感が…」
「ナンノコトカナー」
よくわからないというフレーズごと適当に流す。
春菜の悔しいとも呆れともつかない表情を浮かばせたところで喜んでいるあたり、俺も単純なのだろう。
「それにしても解せませんね。中等部の子がどうして兄様を狙うのでしょうか」
「そこだよな。特に何かしたわけでもないんだがな」
「女たらし予備軍が何を仰っているのですか?」
抉る様に打ち込まれるボディーブロー!
「待て、弁明くらいさせろ」
「いいえダメです。兄様は前科持ちですから」
相手は死ぬ。ぐふっ。
春菜のいう前科というのは大したことではなく、前に春菜と買い出しに出たのだが、その時に飛び出してきた車に轢かれそうになっていた少女を助けた際に少々懐かれてしまっただけだ。
説明終了。情状酌量の余地有りだ。
「とか思っていらっしゃるのでは?」
「エスパーかよ」
「エスパーです」
真顔で言うな。真顔で。
「はいはい、夫婦漫才はそこまでだ。本当に二人は仲が良いな」
俺と春菜が楽しい(命懸け)歓談をしている間に、風花が上がったようだ。
「さあ、お姉ちゃんが嫉妬する前に食事にしよう」
風花は笑顔でそう言った。
目が笑っていない。
俺も嫌われているわけでは無いのだが、何分春菜贔屓なのだ。これは怖い。
「そうですね。早く食べましょう」
すくみ上がっている俺に気を使ってくれたのか、春菜がサッと席に着く。
「さあ、兄様も」
姉の笑顔は悪魔のソレだったが、今目の前にある妹の笑顔は正に天使だった。
「…姉としては、将来弟が悪女に引っかからないか心配になるな」
そんな風花の呟きは聞かなかったことにし、夕飯に手をつけた。



6/16^09:42[編集]
ルーク

そんな風花が風呂に向かってしばらくして、春菜が冷めてしまった夕食を温め直し、配膳を終えていた。
一応名誉の為に加えておくが、俺も手伝うと言ったら「お疲れのようですし、お任せ下さい」ときっぱり言われてしまった。
そう言われてしまうと大人しくしている他にないわけで。
言われた通りにくつろいでいると、春菜の視線に気がついた。
「どうした、俺の顔に何かついてるか?」
「あ、いえ…」
少し見つめるだけに留めるつもりだったのか、やたらと慌てた後に黙り込んでしまった。
しかし、そんな動作とは裏腹に目はこちらの様子を伺うように忙しなく動いている。何かを言おうとしているが、不都合があるようだ。
「何かあったのか?」
このままにしておくのもどうかと思った俺は、春菜を優しく諭すことにした。
しばらく渋っていた春菜だが、俺が見つめ続けた効果もあってか、口を開いた。
「その、兄様。今日はどちらに…?」
「うん?買い出しだって言わなかったか?」
「それにしても帰りが遅かったです」
これはマズイ。
普段は温厚な春菜だが、嘘をついたり、つかれたりするのは大嫌いで、頑としてそれを正そうとする。
つまり、今この場であの槍使いの少女の事を誤魔化すと、俺は明日の朝日を拝めなくなるという訳だ。冗談ではなく、言葉通りに。
「…オーライ、わかった。実はな」
ゆえに、命が惜しい俺は毎回白状するしかなくなるのである。

6/3^11:54[編集]
ルーク

軽く用意をして、風呂場に入る。
「今日は災難だったな、全く」
恭夜は槍で火熊を一閃した少女を思い返す。
鮮やかで美しさを感じさせる槍術。
恭夜は、何となく古傷をなぞった。
肩口から腰にかけて窪みが一直線に出来ている。
「関係、無いよな」
意味のわからない不安に駆られ、それを振り切る様にシャワーのノズルを捻ってお湯を被った。



「上がったぞ」
充電式のドライヤーを片手に、リビングに向かう。
「おーう、出たかー」
「帰ってたのか、風花」
「ああ、今日は少し早めに片付いたからね。仕事だから仕方ないとはいえ、いつもこうだといいんだがな・・・」
そういって愚痴を言う風花。恭夜と春菜の姉である。
高校卒業後、早見静の特魔員の仕事のサポートをしている。
というのも、高い身体能力と、凄まじい程の戦闘センスと剣術を持っている為である。
実際に見たことは無いが、特魔員で有名な静から直々にサポート要請が来るのだから、その実力を疑う余地は無い。
「風花姉、早く御風呂に入ってきてください。待ってますから」
キッチンから出てきた春菜が風花を急かす」
「可愛い弟と妹に待っててもらえるなんて・・・感激!お姉ちゃんすぐ入ってくるぞ!」
疑う余地は無いのだが、一つ欠点を上げるとすれば、ブラ+シスコンといったところか。


12/31^04:51[編集]
ルーク

「これ、届けるべきか?いや、しかし追いかけたら敵意むき出しで刺しに来そうだしなぁ・・・」
どうするか悩んでいると、遠くからサイレンの音が聞こえてきた。
「っと、とりあえずこの場を離れようないとな。本当に国外追放されちまう」
冗談では済まないのが、恭夜の家族なのである。



「ただいま」
恭夜は、一時間程かけて帰宅した。
本来なら霧ケ丘学園から30分程度で着くのだが、買い出しに行った先で厄介事に巻き込まれた(というよりは突っ込んでいった)為、帰宅に大分時間がかかってしまった。
ちなみに、マンションの7階である。部屋番号は703号室。
「おかえりなさい、兄様」
「春菜、帰ってたのか。ただいま」
帰宅するやいなや声をかけてきたのは、妹の春菜だ。
霧ケ丘学園の中等部三年で、何時でもメイドとして出せる程に家事全般を完璧にこなしている。
言わずもがな、恭夜は春菜の料理に胃袋をがっちり掴まれていたりする。
「今日は遅かったようですが、何かあったのですか?」
少し間を開けて春菜が聞いてくる。まさか襲われていましたなんて言えるわけがない。
「いや、まあ大したことじゃないから平気だ。それより、夕飯は大丈夫か?食材は一応買ってきたが・・・」
「はい、と言いたいところですが、備えの乾パンが主食になってしまいました・・・」
少し表情を暗くする春菜。我が妹は何かと大袈裟に考え過ぎだと思う。
「そっか、また苦労かけて悪いな。ありがとう」
「いえ・・・」
慰めと感謝の言葉と共に頭を撫でてやれば、安心した様に小さくため息を吐いて柔らかい表情になる。
恭夜にとっては感謝こそすれ、怒る義理など何処にも無いのだから、もう少し堂々として欲しいと思う。
ちなみに、春菜のこの表情がたまらなく愛おしかったりする。
そんな風に思う自分に対して軽く嘲笑し、シスコンだなと思う。
「そういえば、今日は姉様が帰ってきますが、夕飯と御風呂、どうしますか?」
「そうだな・・・、先に風呂に入るよ」
「わかりました、では私は夕飯の用意をしておきますね」
「ああ、頼むよ」
本当に、自分には出来過ぎた妹だと思いつつ、恭夜は風呂に向かった。

12/27^03:13[編集]
ルーク

「では、次はあなたです」
少女の十字槍が男に向けられる。
「くそっ、こんなはずじゃ・・・!」
恐怖で立ち上がれなくなった男を一瞥し、少女が駆ける。
五歩はあった間合いを一瞬で詰め、槍が光は反射して煌く。
そのまま鋭く突き出された槍が、突如横合いからの衝撃で弾かれた。
「これを拳で弾くとは、やはり貴方は・・・」
「おい、あんた!死にたくなかったら早いとこ逃げろ!それから、これに懲りたら二度と誰かに手を出そうとは考えるなよ!」
「す、すまない」
男に襲いかかる凶刃を横から殴って防いだ恭夜が叫ぶと、男は一目散に逃げていった。
「犯罪者に加担するとは、どういう了見ですか?」
少女は特に男を深追いしようとはせず、恭夜に目を向けた。
本来の獲物を、射程距離内に捕えたとでも言わんばかりに。
「殺す気満々だった奴が何言ってんだ」
恭夜は本能的に危険を察知し、少女の一挙手一投足に神経を集中させる。
その様子を見た少女は、ふっと軽く口角を上げる。
「安心してください、今はあなたを殺そうとは思っていません。直に警察も来てしまいますしね」
そう言うと、少女は十字槍を縮小し、アタッシュケースに収納した。
「貴方も早く離れた方がいいですよ。貴方が捕まると、こっちとしても色々と面倒ですし」
では、と少女は去っていった。
「俺も、深追いはしないほうがいいか・・・」
正直聞きたいことは山ほどあったが、少女の言うことは最もだ。
大体、仮に捕まって警察に御用になっている等と身内に知れたら最悪だ。良くて国外追放だろう。慈悲が無さ過ぎる。
「ったく、今日はついてないな・・・、ん?」
帰路につこうとした時、地面に何か落ちていることに気がついた。
拾い上げてみると、それは恭夜が通う霧ケ丘学園の中等部の学生証だった。
「中等部三年、四条雪穂・・・?」
その学生証には、さっきまで槍を悠然と振るっていた少女の写真があった。


12/8^02:52[編集]
ルーク

明らかにやばい。
そう悟った恭夜だが、様子を見ていることしか出来ない。
「今すぐに投降を要求します」
「うるせえ!くたばりやがれ!」
淡々と告げた少女に対し、男が地面に掌を叩きつけると、複雑な円形の文字列と紋様が現れる。
「魔方陣……明確な敵意を確認。武力行使を持ってこれを沈静化します」
「やれるものならやってみな、俺の召喚獣をな!」
男が出した魔方陣から、歪な輪郭をしたものが這い出る様に現れた。
次元を歪ませる様に揺らめき、次第に形がはっかりとしてきた。
召喚獣と呼ばれたそれは、体の各部に鎧の様に鉄板を装着した、炎を纏う熊だった。
「火熊!?なんであんなのが……!!」
恭夜は呻く様に言う。召喚陣とは、異世界の生物、つまり召喚獣を現世に呼び出す為の扉の様なものだ。術者から注ぎ込まれる魔力を媒体に、召喚陣から出現する。また、召喚陣が複雑になればなるほど召喚獣も強力になる。
しかし、一見便利なだけに思えるが、一体ずつ別々の召喚陣に呼応するので、実戦で使用する為には複雑な陣を一々暗記する必要がある。
そして、恭夜が呻いた理由は、火熊が単体で辺り一面を焼け野にする程の力を持つ強力な召喚獣だからだ。
逆に、魔法に疎い一般人の部類に入る恭夜ですら知識として身に付けている程に驚異的な存在だと言える。
「攻撃魔法ではなく、召喚獣ですか。……まとめて排除するまで」
しかし、恭夜が驚いて目を剥いている間に、少女は悠然と槍を構えた。
「やれ、火熊!灰にしちまえ!」
男が叫ぶと、火熊も咆哮した。纏う炎が激しさを増し、少女に猛然と飛びかかる。
対する少女は、ゆらりと火熊に穂先を向ける。回避行動を取るようには見えない。
火熊が腕を振り上げ、少女を射程内に捉える。このままでは少女は鋭い爪に引き裂かれ、無惨な肉塊と化してしまう。
最悪なビジョンが脳裏をよぎった恭夜が反射的に角から飛び出そうとする。
その瞬間、少女が無感情な目で恭夜を見ていることに気づいた。不要です、と言外に語っている様に思えた。
そして、火熊の爪が振るわれる。少女は、少しだけ右に動いた。
詳しくは右足、左足、右足と三歩動いたのだが、速すぎて恭夜には見切れなかった。
そして、左足から右足に移りながら少女は槍を薙いだ。要は、一回転しつつ回避行動を取り、尚且火熊を一閃したのだ。
頭部から腹部まで切り裂かれた火熊は、跡形もなく魔力の欠片になり霧散した。少女は、それを無表情に見ていた。

11/8^07:04[編集]
ルーク

角を曲がり、少女の死角に入る。
「今だ!!」
恭夜は一目散に走って次の角を曲がる。そのまま更に次の角へ。
相手は恐らく暗躍の手練れだ。視線だけ素人だったのは、それが理由だろう。元々追跡の訓練自体をそこまで積んでいないと予測できる。
しかし、そうなると死角に入った程度では安心できない。ドラマや漫画の世界観でしかないが、連中は僅かな音で標的の居場所を判断し、接近してくる。
それならば、とことん遠くに逃げるしかない。
これが、一見無謀に思える今回の行動を起こすまでの思考の流れだ。
必死に走り、何度曲がったかわからなくなってきた辺りで足を止めた。
「さ、流石に着いてこれなかったみたいだな」
息を整えながら周囲を見渡しても、少女が飛び出してくる気配は無い。
やれやれ、すっかり日が落ちたと思いつつ帰路に戻ろうとした時。
「なあ、ちょっと遊んでいかない?」
「金余っちゃってさ、いいでしょ?」
「退いてください」
最後に曲がった角の向こう側で、そんな会話が聞こえてきた。
十中八九ナンパだろう。さっきの少女に追い付かれるのは怖いが、ここは人気が無さすぎる。放っておく訳にもいかない。
そう判断した恭夜は、壁に背中をくっつけてスニーキングよろしくの覗きこみをしたところで、すぐに顔を引っ込めた。
「さっきのストーカー少女じゃねえか……!!」
速すぎる。まさか微塵も距離を開けていなかったなんて。これはナンパ二人組に感謝だ。
「まあまあ、そう言わずにさ」
「何か食べたいもの無い?奢るからさ」
「もう一度言います。退いてください」
しかし、よく考えるとナンパ二人組は現在かなり危険な状況にいるのではないだろうか。
覗いた時に少女の方を少し見たが、年相応の表情とはとても言えなかった。あの顔、いつ殺るか知れたものではない。
「これじゃ逆に離れられなくなっちまったじゃねえか……!」
益々険悪なムードになっていくのを横目に、恭夜は頭を掻き毟る始末。
「最後の警告です。退いてください」
「あー、もういいわ」
「いいから来いよ!」
二人組が遂に痺れを切らして、少女の腕を掴んだ。
「待て、早まるな!」
恭夜が気づいて咄嗟に飛び出したところで既に手遅れ。
「破ッ!!」
少女の掌底が腕を掴んだ男に突き刺さる。
「がはっ!」
こうなってしまえば、男は自然の法則に任せてただ吹っ飛ばされるしかない。
「くそっ、特魔員か!こうなりゃ……」
もう一人の男が吐き捨てる様に言うと、体から黒い障気が上がる。吸血鬼の特徴だ。抑えていた魔力を開放することで、溢れる魔力の一部が視覚化されるのである。
「……市街地での私情による異常な魔力行使は禁止されています」
少女が告げると、同時に周囲一帯に警報音が鳴り響いた。
民間人に対する避難勧告だ。しばらくすれば特魔員が押し寄せてくるだろう。
「正確には、魔族特別措置法違反です」
簡単に言えば、魔族でも魔力を使わなければ居住を許可するというものだ。
そして、そう言い放った後、少女が唐突にアタッシュケースを開き、引っ張り出した物に対して恭夜は目を剥いた。
少女が手に持ったのは、細く長く、そして見る者に美しさと威厳さを感じさせる、伸縮性の十字槍だった。

11/7^07:01[編集]
ルーク

そんなことを思いつつ学園を後にし、真っ直ぐ帰路につく。
「あ、今日の料理当番は俺か。食材買わないとな……」
数時間後に食卓に並ぶであろうメニューをぼんやりと考えていた時だった。
「……もしかして、尾行されてるのか?」
学園を出たときから、妙な視線を感じていた。それとなく振り返ったりして、どうやら少女に尾行されているということまではわかった。
しかし、理由がわからない。制服がうちの学園の生徒のものだったが、生憎尾行されるような羨望も、恨みも抱かれていない。
それに、視線はともかく、少女の動きは追跡者のそれだ。素人でもわかるくらいに気配を感じない。身の危険を感じるレベルだ。視線はともかく。
そして右手に提げているアタッシュケースが異様さを際立たせていた。
少女との距離は約20mといったところ。
「人気の無いところには行きたくないが、入り組んだ路地に入って撒きにかかるしかないか……」
なるべく怪しまれない様に、しかし歩く速さを少し上げて、恭夜は路地に入った。

11/6^06:57[編集]

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