一剣

2021年2月19日(金)
【NO TITLE】
歴史家カーライルが『フランス革命史』第1巻を書き上げた時のこと。友人の哲学者ミルが書評を書くために、原稿を借りた。ところが、ミルのお手伝いさんが、原稿を不要な紙と勘違いして焼却してしまう▼数カ月に及ぶ執筆の苦闘は、一瞬で灰と消えた。それでもカーライルは、謝罪に来たミルを懸命に励まし、翌日には重ねて「友よ、元気を出すんだぞ!」「ぼくはふたたびそれにかかる」(入江勇起男訳)と手紙につづった▼実際には、カーライルの落胆は大きく、何も手につかない日が続いた。だが、“第一に貴いのは、この艱難を耐え再び筆を執ること”と奮起し、半年後に再び原稿を完成させた▼思わぬ苦境に陥った時、その原因をつくった人さえも励ます。そんな心の強さをカーライルは持っていた。余裕があるから、人を励ませるのではない。自らが戦っているからこそ、人を励ませるのである▼この出来事を通して、内村鑑三は記した。「不運にあっても(中略)事業を捨ててはならぬ、勇気を起してふたたびそれに取りかからなければならぬ」(『後世への最大遺物』岩波文庫)と。人生に思わぬ難局はつきもの。その運命を引き受け、周囲を励ましながら、不屈の一歩を踏み出す。そこから“勝利の自分史”は紡がれる。

2/19^05:38
[更新通知]





w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
++新着日記++