名字の言

2018年3月12日(月)
【NO TITLE】
ある店にやって来た初対面の2人。だが気まずさを感じることはない。店にある機械が、データをもとに、2人に最良の「話題」を提供してくれる。星新一氏の「ナンバー・クラブ」という小説の話である▼店を出た主人公は偶然、親しかった旧友と再会して別の店へ。しかし全く会話が盛り上がらない。主人公は再びナンバー・クラブへと戻っていく(『星新一YAセレクション 妄想銀行』理論社)▼人間の触れ合いに機械が介在する滑稽さを風刺した話だが、実はこれに似た状況が今、ネットの世界で起きている。「フィルターバブル」と呼ばれるものだ▼ネットで情報を探す際、利用者の傾向を反映した情報が優先的に表示され、他の情報は目に入りにくくなる。次第に特定のフィルターで選別された情報に囲まれ、“バブルの球体”の膜に包まれたような状態に。本年の「SGIの日」記念提言では、これが取り上げられ、人間を分断し、差別を助長する危険性も憂慮されている▼この“分断の壁”を破る最上の方法は、自分と全く異なる見方、考え方に触れることだ。“話が合わない”と感じる時こそ、視野を広げ、考え方を深めるチャンス。人を選ばず、心を開いて語り合う――この勇気の挑戦が、開かれた共生社会への扉を開く。

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