信仰体験談

2018年9月14日(金)
【急性大動脈解離からの生還】
 【千葉県南房総市】一瞬の判断が、生死を左右する場合がある。とっさの行動が、運命のシナリオを書き換えることもある。山口コ昭さん(66)=南房総栄光支部、支部長=は2年前、突然、大動脈解離(※メモ)を発症した。大動脈が破裂すると、病院到着前の致死率は6割。年間約1万人とされる患者数は、増加傾向にあるという。当時の模様を妻・益美さん(64)=支部副婦人部長=が克明につづった記録ノートを基に、蘇生のドラマを振り返った。

病との攻防
 2016年(平成28年)1月18日。正午ごろ、山口さんは自宅の駐車場で愛車を整備していた。塗装スプレーを噴霧した瞬間、胸に強い衝撃を感じた。
 益美さんや同居する義母・潔枝さん(86)=婦人部員=は不在。すぐに119番通報するも、救急車内で意識が薄れていった。生命の危険があるショック状態だった。
 知らせを受けた益美さんが病院に着いたのが、午後2時。術衣をまとい、ストレッチャーに横たわる夫に「大丈夫!?」と問い掛けると、わずかに反応があった。
 医師が告げた。「重大な病です」
 急性大動脈解離。しかも心臓に近い上行大動脈が解離し、致死率が高い「スタンフォードA型」だった。緊急手術が必要という。看護師が走り回り、緊迫した空気に包まれていた。
 「手術前に大動脈が破裂したら、命はありません。破裂しないよう祈ってください」と医師。
 午後2時半、手術室へ運ばれる夫に益美さんが「題目を送るからね」と話し掛けると、うなずいて応えた。
 家族や地域の学会員に病状を報告するや、すぐに同志が駆け付けた。息子や親族が来るまで益美さんを一人にしないよう、一緒に待機してくれた。心の中で懸命に祈り続けた。
 「地元の同志をはじめ、青年部の皆さんも応援の題目を送ってくれたんです」
 8時間後の午後10時半、手術を終えた医師が説明を始めた。上行大動脈を人工血管に置換し、手術は成功。外膜が一部裂けて大量出血していたため、あと5分、遅ければ助からなかったという。安堵する益美さんに、医師は続けた。
 右脳への血流が低下したため、脳障害が懸念されること。緊急手術による感染症などの恐れがあること。10日間は、厳しい状態が続くと聞き、益美さんは奮い立った。“これからが本当の闘いだ”

針穴を通す
 翌19日、山口さんは意識が戻るも、現実を受け止められず、興奮状態に。人工呼吸器で心身を休ませることになった。
 23日、呼吸器を外し、医療スタッフの説明を受ける。今度は病状を理解でき、本格的なリハビリが始まった。
 “必ず元気になって、池田先生に報告しよう!”。かつて益美さんが乳がんを患った際など、夫妻は折に触れて師に手紙をつづり、師弟の誓願を果たしてきた。
 山口さんには、忘れられない出会いがある。1974年(昭和49年)2月26日、千葉で「高校会」の一員として、池田先生との懇談の場に2人の兄・足達光夫さん(68)=柏市、総県副総合長、晴仁さん(66)=同、副支部長=と共に参加した。先生は3兄弟を激励し、「お母さんを大事に」と語ると、「お父さんに」と写真集を山口さんに手渡した。
 「写真集のズッシリとした重さと先生の慈愛に満ちた瞳は忘れられません。当時、両親は未入会でしたが、その後、母が入会。父も学会の理解者になり、生涯、写真集を大切にしていました」
 個室の病室へ移ると、小声で唱題に励んだ。携帯電話には、同志から励ましのメールやラインが次々に届く。
 入院中の1月22日付の本紙・関東版に、「ブロック5勇士」達成支部として、山口さんたち壮年部員の集合写真が掲載された。支部長として、ずっと題目闘争を続けてきた。
 「唱題の大切さを訴えてきただけに、支部や青年部の皆さんが回復を祈ってくださったと伺い、涙しました」
 あらためて医師から病の経過を聞くなかで、実感したことがあった。
 房総半島南部の山あいの自宅から病院までは、車で40分以上の道のり。発症時、もし家族の帰宅を待っていれば、意識を失っていた可能性もある。すぐに携帯電話で通報したことが幸いした。
 また、当日は、循環器系の執刀医の在勤日だった。救急搬送された時、ちょうど前の手術が終了。到着が遅ければ、次の手術が始まり、緊急手術はできなかったという。
 詳細を知るほどに、針穴に糸を通すような生還劇に体が震えた。“仏法に「たまたま」や「偶然」はない。全てに意味がある”と受け止めた時、感謝と同時に、この体験を伝えなければという使命感が湧き上がった。
 病床で携帯電話のボタンを押し続け、2000文字を超える闘病体験を作成し、皆に発信。同志がそのメールを手に、病に悩む友へ励ましを送るなど、幸福の連鎖が広がった。

元初の旭日
 太平洋に面した海岸にある病院は、日蓮大聖人御聖誕の地に近い。発症から10日後の28日、早朝。12階の病室の窓から、水平線から煌々と昇りゆく朝日に向かって、夫婦で感謝の題目を唱えた。
 「心に元初の太陽が昇ったようで、新しい人生が始まる歓喜に包まれました」
 蘇生した夫の横顔を眺める、益美さんの頰を涙が伝う。陽光が夫妻の心までも金色に染め抜いた。
 2月6日、20日間での早期退院。前例がないほどの驚異的な回復は、院内でも話題になった。
 教員を退職後、地域に尽くしてきた山口さんは当時、自治会長。“地域の人にも心配を掛けた”と、一軒一軒、退院の報告に回った。ある近隣住民は、「信心で守られたんだよね」と語るなど、皆が感嘆の声を寄せた。
 「これだけ真正面から信心の醍醐味を話せたことはありません。これも病になったおかげです」
 その後も地域防災ボランティアや学校評議員など、一層、地域貢献に励んでいる。
 今年、益美さんは、右膝に人工関節を入れる手術を受けた。40年以上、リウマチに苦しんだ妻を、今度は山口さんが全力で支える。
 「妻とは教員同士であり、一番の同志です。私の病を嘆き悲しむのではなく、祈り励ましてくれた妻は、かけがえのない存在です」
 退院後も定期検査などの内容が続く記録ノートには、益美さんの愛情と祈りが込められている。病が夫妻の絆を一層、強く結んだ。
 広布模範の支部をけん引する山口さんは、師と同志に報恩感謝を誓う。
 「病を機に発迹顕本する思いで、信仰の絶対の確信と師弟に生きる喜びを、生ある限り伝えていきます」

メモ
 大動脈解離 内膜、中膜、外膜の3層からなる大動脈壁の内膜に生じた亀裂から血液が入り込み、壁が縦方向に裂かれる状態。薄くなった壁が瘤状に膨らむと、外膜が破裂し、急性心不全などを発症する危険がある。

9/14^21:45
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